読んでいるうちに旅に出たくなる!おすすめの小説はこれ

旅するしあわせ、帰る場所のあるしあわせを感じられる、原田マハ「旅屋おかえり」

原田マハの「旅屋おかえり」は、諸事情から自分で旅行に行けない人の代わりに旅をしてレポートするという、旅の代行に励む丘えりかを主人公に描かれた小説です。切実な想いを抱いて旅を依頼する人との出会い、旅先での人との出会いを通じて成長していく丘えりかの姿を追っていくうちに、旅って本当に人を大きく変えてくれるものなのだな、と旅の持つ可能性の奥深さに気付かされます。旅先での度重なるハプニングにめげずに乗り越えてゆく丘えりかの心理描写のみならず、旅の舞台となっている秋田県角館や愛媛県内子町の丁寧な描写も見事で、読んでいるうちに、次の旅の候補地にしたくなります。旅をするということの意義について、改めて考えさせてくれる一冊です。

鉄道旅の魅力が詰まった一冊、柴田よしき「夢より短い旅の果て」

「夢より短い旅の果て」は、自らも鉄道での旅が好きだと語る柴田よしきが綴る鉄道旅ミステリーです。大学の鉄道同好会が舞台になっていて、同好会の女性新入会員・九十九院香澄が主人公です。香澄は、熱烈な鉄道ファンではなかったものの、ある理由から鉄道同好会に入会し、こどもの国、飯田線、沖縄都市モノレールゆいレール、と各地に出掛けて鉄道に乗り、レポートを書くうちに、次第に鉄道旅の素晴らしさに気付いていきます。香澄と同様、本の読者もまた、鉄道旅の持つ魅力に引き込まれてゆき、鉄道に乗って旅をしてみたいという気分になれる一冊です。柴田よしきの文筆力と鉄道旅への想いが生かされた鉄道旅ミステリーは、続編にあたる「愛より優しい旅の空」も刊行されています。

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